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「審判の日」直前には、重力制御・クローン・人間型シンクタンク・常温核融合エンジン等の研究が盛んに行われていました。
しかし、サイコマスターズ世界のテクノロジーの進歩は、2043年の「審判の日」によってほぼ止まっています。その後テクノロジーは後退こそすれ、現在もあまり進歩していません。そのため、現在使用されているコンピューターや車両などは、2043年までに開発された基礎技術で作られたものか、当時のものをレストアしたものが中心となっています。
PCが扱えるのは、サイバー技術やレーザー兵器、MSや高周波振動武器等に使われている技術が限界です。
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(1)エネルギー |
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21世紀初頭、月から採取するヘリウム3を燃料とした、クリーンな熱核融合炉が実用化されました。世界はエネルギー革命を向かえ化石燃料時代に終わりを告げました。しかし「審判の日」の到来は、それらのエネルギー施設に多大な打撃を与え、ほとんどの施設は今尚、瓦礫の山となっています。
奇跡的に審判の日を乗り越えたソーラープラント(太陽電池発電施設)やヘリウム3を燃料とした常温核融合炉が稼働している所もあります。またそれら発電施設の無い場所では他に、石油、天然ガス、石炭など、旧時代のエネルギーも使用されています。
そんなサイコマスターズの世界の中で、もっとも身近なエネルギーと言えるのが水素燃料(HF=ハイドフュエル)と燃料電池です。
■燃料電池(HB=ハイドバッテリー/SHB=スモールハイドバッテリー)
燃料電池とは、水素と酸素を電気科学的結合(電気分解の逆)をさせて、電力を得るエネルギーシステムです。アポロ計画で開発され、20世紀末に実用化がされました。現在使用されているのは、固定電解質型という方式の第3世代燃料電池で、小型、軽量化が進み、マスタースレイブやパワードプロテクターなどの実用化をうながしました。現在もエレカー(電動自動車)、モーターフライ(電動ヘリコプター)などに幅広く使用されています。燃料電池は大型と小型の2種類があり、それぞれHB(ハイドバッテリー)、SHB(スモールハイドバッテリー)と呼ばれています。大きさは、HBが340cc缶ジュース。SHBが単一乾電池程度です。HBはSHBの10倍の容量をもち、HB5000円、SHB1000円程という価格になっています。充電に関してもこの価格と全く同じです。
また、HBを車のバッテリーに繋ぐと1時間、家庭用電源ならば1日間で再充電を行うことができます。SHBは1時間で再充電可能です。なお、HBを完充電するということは、水素燃料ならば1HF分、ガソリンならば50リットル分の消費をしたことになります。
充電の手段としては他に簡易ソーラーパネルと呼ばれる物があります。これは車両や戦車に装備する太陽電池発電装置で、普通に電化製品を動かす事が出来ます。これにHBを繋ぐと、晴れた日ならば1日で1HB分の充電が可能です。なおこの簡易ソーラーパネルは、2m×2mの大きさがあるので、MSやバイク、航空機などには装備不可能です。
■水素燃料(HF=ハイドフュエル)
世界的に普及していた水素燃料は、各地にその精製装置(太陽光やコンセントを使い水を電気分解する装置)を残しました。そのため、水素内燃機関は、現在も様々な乗り物や機械に幅広く使用されています。電気モーターと比べ効率こそ悪いのですが、同質量において圧倒的なパワーを生み出せるため、力が必要なものには必要不可欠になっています。重金属タンクと呼ばれる専用のタンクに貯えられ、爆発の危険などはまったくありません。外見は、40リットルフュエルタンクに似ており、このタンクを標準単位とし、1HF(ハイドフュエル)と呼びます。なお、1HFの値段は概ね10,000円程度で、ガソリン50リットルのエネルギー量に相当します。
旅をする人々は大概、持ち運びできる水素精製装置を持っています。これは、水と電力を補給することで、1日に1HF分の水素を作る事が出来ます。必要な電力は、晴れた日の簡易ソーラーパネル2枚分です。
[コラム:経済]
「審判の日」以降、それ以前の貨幣はほとんどの地域でその価値を失いました。
多くの地域では、物々交換や旧時代の貴金属貨幣、燃料などで取引をしています。野盗を追い払った報酬に、牛を一頭もらう等といった事態もそう珍しい事ではありません。
ですが、復興の進んだ地域では、経済活動が活発になるに連れて貨幣が必要となり、貨幣が復活してきています。
そういった貨幣は、その復興の進んだ地域の持つ経済力や軍事力を背景に信用を勝ち得、周辺の離村でも流通しています。
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(2)コンピューター |
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コンピューター、いわゆる電子計算機は、サイコマスターズ世界に至るまでに、最も進化を遂げた技術分野の一つです。単なる計算機から複雑なプログラムによって様々な仕事をこなす万能機械へ。そして宇宙開発にサイバー技術、軍事に市民生活と、人類にとってコンピューターは失いがたい物になっています。
21世紀に確立したOEIC(Opto Electronic Integrated Circuit:光電子集積回路の略。電気の代わりに半導体レーザーを、シリコンの代わりに光ファイバーを使った集積回路)技術により、従来のコンピューターとは比べ物にならない処理能力を持つコンピューターがあります。殆どの部分が光伝達方式なため、磁気や電気、電磁波に対する耐性が高く、消費電力や耐久性もずば抜けて優れています。プログラム媒体にはクリスタル(CL)と呼ばれる物で、7枚入りの板ガム程度の大きさの、文字通りクリスタルの様な透明な四角柱という外見をしています。音楽用のソフトにも同じ原理のものが使われており、そちらはS−CDと呼ばれています。アルバムクリスタルはガム1枚程度の大きさです。
ですが審判の日以降、他の技術同様、コンピューター技術も失われつつあります。また、コンピューターを動かすための電力を確保するのが困難であったためコンピューター自体があまり使用されず、その進歩はほとんどありませんでした。
コンピューター制御されていた機器からはそれが取り払われ、最初から機械的な機構を持つ機器が重宝されています。
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(3)通信、電波 |
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「審判の日」直前までは、人工衛星を使ったマイクロウェーブ通信が主流になっており、パーソナル無線のように民間で使用できる範囲も設定されていました。しかし、天文観測でもはっきりしているとおり、「審判の日」以前に打ち上げられた人工衛星は、全て姿を消していました。そのため衛星を仲介するマイクロ波通信は使用できず、20世紀に普及していた短波以上の波長の無線機が現在の主流となっています。
多くの地域では、制作の容易さ、構造の単純さも要因となり、そのほとんどが従来型の通常無線機です。なお、通常の無線機の通信距離は、開けた地域ならば、部屋に据えつけるような大型なもので100q、中型なもので50q、小型で10q程度です。
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(4)宇宙開発 |
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宇宙開発はヘリウム3核融合炉技術の完成によって採算の取れる優秀な事業に変化しました。宇宙ステーション“フリーダム”や月の地下基地など、比較的地球に近い宇宙の開発に力が注ぎ込まれています。しかし、「審判の日」がもたらした結果は、全ての宇宙ステーションと人工衛星を消滅させました。
[コラム:ヘリウム3]
普通のヘリウムの原子核より、中性子が一個少ない同位元素。地球上にはほとんど無いが、月には大量に存在する。核融合炉には重水素と三重水素を使うものと、重水素とヘリウム3を使うものがあり、21世紀のエネルギー革命後はヘリウム3を使用するタイプの原子力発電所が大勢を占めた。2008年、米国の常駐型月面基地の完成は、アメリカがヘリウム3の供給のほとんどを担うという経済変革をもたらし、5年後のエネルギー革命によってアメリカは、かつての産油国のような、オイルマネーならぬヘリウムマネーを、ほぼ一手に握る事になった。宇宙開発と経済を結ぶ、代表的物質である。
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(5)新素材 |
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宇宙開発の到来と共に新素材技術も新しい局面を迎えます。樹脂やセラミックなども素材として大きく進歩し、それはコンピューターの革新やマスタースレイブ(MS)やサイバーの登場を促しました。月開発は、大量のチタンと低重力合金技術を生み、優れたチタン合金が作られるようになりました。その他にもセラミックやプラスチックなどの分野で画期的な合成素材が作られています。
新素材の中で最も特記すべきものは「抗ESP樹脂」です。
第3次世界大戦の最中、UMEのESP部隊に対抗する手段の一つとして、ある新素材がアメリカ合衆国で極秘に開発されました。
『抗ESP樹脂』と呼ばれる新素材は、ある特殊な樹脂に液晶ポリマー加工を加え、希金属系の半導体を複合して組み合わせ、一定の電圧帯の電気を流すことで『対ESPフィールド』という特殊なフィールドを形成する事ができました。このフィールドを3次元的に透過した超能力エネルギーは、フィールドの出力に反比例して低下していきます。
『抗ESP樹脂』はESPテロへの対策として、発電所や要人官邸などの重要施設の構造体に使用されました。また対エスパー戦闘用の特殊車両やサイバーのフレーム、マスタースレイブ、シンクタンクAIなどの被膜に使用され、ESPによる攻撃(特にマシンテレパス系による操作)からこれらを守りました。これら『抗ESP樹脂』を組み込んだ構造体は、一般的に『抗ESPフレーム』と呼ばれています。
また、同様の技術を利用した物に『坑ESP弾』と呼ばれる物もあり、こちらはPKバリアーに接触した一瞬のみ坑ESPフィールドを発生させ、PKバリアーの影響を受けずに弾が通過します。
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(6)超能力 |
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革新的な技術開発が続いた21世紀初頭、神の示す人類の新たなる形か、それとも悪魔の気紛れか、いずれにせよ、人類の歴史に新たな幕が開きました。それが超能力とそれを研究する超能力工学です。
西暦2030年、かねてより存在が指摘されてきた超能力の実在が、アメリカのデトロイトに設立された最先端技術研究所の研究報告として発表され、人類に授けられた新たな未知の能力に対して、世界の各地で超能力に関する研究施設が設立されました。
しかし世界全体で確認できた超能力者はわずか数百人に過ぎず、超能力者が生まれる事はごく稀な現象である事が判明しました。その背景には、超能力を持って生まれたにも関わらず、その事実に気付かず一生を終える者がいたのも確かです。
その様な事情から、超能力が人々の生活に直接関わる事もなかった為、社会的に大きく取り上げられる事はありませんでした。
超能力者の存在が注目を浴びたのは、第3次世界大戦になります。UMEのESP部隊による大規模なテロ行動は、人々の心理に深く超能力という存在を染み込ませました。
こうして人類は、戦争における新兵器という不幸な形で超能力と向き合う事になったのです。
これは、超能力者にとっても不幸の始まりでした。
時にエスパーをモルモット同然に扱って研究を進める研究所も珍しくはなかったようです。
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